タイ農業の最新情報(2020年4月8日)
①タイ天然ゴム公社はマレーシアと調整し、ラテックスの輸入口の開放を要請
タイ天然ゴム公社(RAOT)は、新型コロナウイルス感染予防を理由に、マレーシアとの国境が閉鎖されていることを踏まえ、マレーシア当局と調整し、ラテックスを輸出できるよう開放を要請した。一方、タイ農業・協同組合省(MOAC)は、タイを世界の天然ゴム市場のハブとする目標を設定した。
カジョンジャック・ナワンプロムサクン・RAOT総裁代行は、新型コロナウイルス流行が進む中、検疫の面で制限が設けられ、天然ゴムの輸出に影響を与えており、ソンクラー県のサダオ郡の国境からラテックスの輸出が緩和されていたと述べた。
RAOTは、先週、マレーシア政府がタイからの天然ゴムの輸入口を開放するよう、ソンクラー県、ソンクラー県の衆議院議員、マレーシア領事館、運輸省、安全保障省と、スピード感をもって調整を行い、マレーシア政府より、パダン・ベサール駅の国境検問所を開放するとの回答を入手、4月6日より開放されることになった。
タイ国鉄の各便については、マレーシア側に入国するコンテナのハンドリング要員として、タイの職員を19人常駐させ、毎回マレーシア側の検疫を受けることとする。
一方、報道では、MOACはタイを天然ゴム産業の世界的中心、ハブとすべく推進しており、ハブ化によって、価格が安定し、収入増と生活の安定することによって、現在天然ゴム価格の変動に悩むゴム農家を助けることにつながると期待されている。RAOTがラテックスを買い上げるとともに、天然ゴム加工品の消費促進を図り、世界レベルの基準への引き上げ、天然ゴム加工品、ゴム木材業界の振興、競争力の強化、農業界の発展と所得の安定につなげるとしている。
なお、タイ天然ゴム公社は、1収入、2規則、3RAOTとサプライヤーチェーンとの調整を軸に、新型コロナウイルスで影響を受けている、農家の方々、ゴム農家団体、ゴム関係の事業者、またすべての方々の相談窓口センター開設し、相談、苦情や調整を受け付けている。
出典:グルンテープトゥラギット新聞、2020年4月3日付、非公式訳
②タイ天然ゴム公社、ゴム農家に対する戒厳令措置の緩和を申し入れ
タイ天然ゴム公社(RAOT)は、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部に対し、戒厳令下の午後10時から午前4時までの夜間外出禁止について、指定時間帯がゴム農家のラテックス採取の時間帯にあたるとして、外出できない場合、生活に直接影響するため緩和するよう書簡を発出した。
カジョンジャック・ナワンプロムサクン・RAOT総裁代行は、新型コロナウイルス感染症対策本部が4月3日に発出した、午後10時から午前4時までの夜間外出禁止令について、公社にはこの時間がラテックス採取の時間であるため、収入減となるとの声が寄せられている。これをうけて、公社はチャルムチャイ・スリーオン・農業・協同組合大臣とプラパン・ブンヤキティ・タイ天然ゴム公社委員長と協議し、ゴム農家の夜間外出禁止令時間帯の外出の必要性について、新型コロナウイルス感染症対策本部あてに書簡を発出したと述べた。
最後に、総裁代行は「ゴム農家は、この(夜間外出禁止時間帯)時間帯に外出しなければならないことは、公社も承知している。よって新型コロナウイルス感染症対策本部に書簡を発出し、該当の町長や村長に知らせれば、通常通り作業できるという緩和措置が取られることになった。いずれにしても、農家の皆さんには、感染予防と一日も早く通常に戻ることができるよう、政府の対策と衛生管理に協力していただきたい」と述べた。
出典:タイ天然ゴム公社(RAOT)ホームページ、2020年4月3日付、非公式訳