タイ農業・協同組合省は、ニューノーマルに合わせて天然ゴム産業に関するシステム見直しへ
30 มิ.ย. 2563
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タイ農業・協同組合省は、ニューノーマルに合わせて天然ゴム産業に関するシステム見直しへ
タイ農業・協同組合省は、ニューノーマルに合わせて天然ゴム産業に関するシステム見直しへ

タイ農業・協同組合省は、ニューノーマルに合わせて天然ゴム産業に関するシステム見直しへ

 

 タイ農業・協同組合省(MOAC)は、「天然ゴム産業6つの改革」を積極的に進めることを決め、収益を増やし、新製品の加工と生産への投資に焦点を当てるほか、ラバーシティへの投資促進、中国のすべての省における市場開拓、「タイコム市場」設立の加速、ゴム栽培面積の200万ライ(32万ヘクタール)削減、国内の消費拡大を目指す。

 天然ゴム価格対策委員会会議で、タイ天然ゴム公社(RAOT)からの報告により、世界の天然ゴム生産の状況を認識しており、特にCLMV諸国(カンボジア、ラオス、マレーシア、ベトナム)では2004年から2012年にかけて、ゴム園面積を急拡大させたため、年率3~4%の増産の傾向にある。一方、世界の天然ゴム需要は、年4~5%増と予想され、これにより天然ゴムの余剰生産は年平均35~45万トンになり、それにより世界の天然ゴム在庫は2019~20年期に400万トンになると予測される。これは、2020~21年期の価格の下押しと、2018年末からの世界の天然ゴム価格の低水準トレンド、今年は新型コロナウイルス感染拡大危機の遭遇と、ゴム生産と市場、国際価格に影響すると考えられる。

 アロンコン・ポンラブットMOAC大臣顧問が議長を務める会合で、タイは市場価格1200億バーツ(4164億円・1バーツ3.47円換算)を超える世界第一位の天然ゴム輸出国で、自動車用タイヤで世界第4位、ゴム手袋で世界第2位を誇るゴム輸出大国として、状況を検討し、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるニューノーマルに対応する、「ゴム産業6つの改革」を策定、これによりゴム農家、組織の収入増と国の競争力強化と短期的および長期的な天然ゴム価格の安定を目指す。政策は以下の通り。

 1)市場と価格対策 先物取引市場は現物市場の基準価格に影響を与える。特に上海、東京、シンガポール、マレーシアの各先物市場において、タイは世界第一位の生産、輸出国にも関わらず、価格に関する影響力は微小であるため「タイコム市場」(ThaiCom)と称するタイの天然ゴムの先物市場の設立にむけた調査を行う。タイコム市場は、RAOTの協力のもと、現物取引と先物取引のハイブリッド版で、MOAC、タイ商務省、グルンタイ銀行、タイ輸出入銀行からなる専門家委員でワーキンググループを設置し、90日以内にコンセプトペーパーを作成、MOAC大臣に答申する。大臣了承があれば、RAOTの委員会報告前にワーキンググループは最終報告を作成し、次のステップに進む。

 2)供給サイドの対策 需給調整のために、今後10年間で200万ライ(32万ヘクタール)のゴム園面積の削減とそれに伴う1ライ(16アール)あたり1万バーツ(34700円・1バーツ3.47円換算)の政府援助を求める。さらに、政府機関による国内での天然ゴムの使用増加の政策を加速し、政府機関とタイ国内外の需要に対応したゴム製品の研究開発向け資金を増額するよう、RAOTに指示する。

 3)需要サイドの対策 過去からの一部の省での天然ゴム取引をさらに発展させ、ほかの主要市場と新規の市場の商流拡大のために、中国国内のすべての省の取引をカバーすることにより、中国との天然ゴム貿易の拡大を加速させる。プロジェクトチームを設置し、主要な市場である中国とのゴム貿を推進拡大、市場動向の捕捉とオンライン、オフライン商取引の拡大深化、天然ゴム生産物、製品の生産基準の構築を通して、需要家の信頼向上のために、タイのゴム産業のイメージアップを図る。ほかにも、RAOTによる、貿易商流と国際ビジネスマッチングのための「バーチャルデジタルプラットフォーム上でのゴム博覧会」開催を承認した。

 4)加工品の付加価値向上対策 新型コロナ感染拡大の影響による新しい常態(New Normal)のニーズに応えるため、ゴム手袋を含むゴム製品製造工場への投資とゴム工業団地事業(Rubber City)への投資促進、産地と共同で産地に近いナコンシータマラート県に開設予定のゴム関連複合施設(Rubber Complex)の調査を加速させる。また、ゴム製品の付加価値向上とゴム農家とゴム団体の収益向上のために、RAOTは農業技術革新センター(AIC)と共同でゴム加工イノベーションコンテストを開催する。

 5)天然ゴム在庫の削減対策 10万トンを超える天然ゴム在庫の管理の方向性についてRAOTより7月9日の次回会合時に提案させる。この件については価格面の影響がないように注視すべきだ。

 6)所得向上対策 RAOTに、ゴム農家とゴム団体にさらなる収入を生み出すための複合型農業振興を指示し、元来天然ゴムからの収入だけに依存する形から、ゴム園面積削減の政策に基づいて、ゴム園に変わる市場将来性のある作物や、経済的な木材への転作を促進する。

 

出典:ターンセータキット新聞(電子版)、2020年6月24日、仮訳

https://www.thansettakij.com/content/Macro_econ/439614?utm_source=category&utm_medium=internal_referral

 

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