3月期のタイの天然ゴム輸出額はプラス109%、ゴム農家への補償が不要な70バーツ台まで上昇
13 พ.ค. 2564
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3月期のタイの天然ゴム輸出額はプラス109%、ゴム農家への補償が不要な70バーツ台まで上昇
3月期のタイの天然ゴム輸出額はプラス109%、ゴム農家への補償が不要な70バーツ台まで上昇

3月期のタイの天然ゴム輸出額はプラス109%、ゴム農家への補償が不要な70バーツ台まで上昇

(2021年5月6日付 プラチャーチャート新聞電子版より)

タイ天然ゴム公社(RAOT)による10万トン余の在庫の入札後も天然ゴムの輸出価格はキロ70バーツ(245円・1バーツ3.5円換算)まで上昇している。これは世界市場、特に中国、インドの需要増による価格を押し上げ効果など、市場の復活トレンドを示すものだ。21年3月期のタイの天然ゴム輸出は109%も増加した。

ゴム輸出業界の情報筋は本紙の取材に対し、21年のゴム輸出の傾向は大幅に改善したと語った。最新の数字によると、21年3月期のタイの天然ゴム輸出量は65.5%増の349,427トン、輸出額は5億8,700万米ドルで109.18%の増加となった。第1四半期のゴム輸出は870,030トンとなり、10.68%のプラス、輸出額14億4100万ドルで、38.14%のプラスで、輸出全体の32%を占める中国の需要が17%も拡大した。

RAOTによる過去9年間の備蓄分10万トン余の在庫放出入札に対し応札者は1社のみであった。今回の入札による市場価格への影響が短期に終わると予想され、長期的にはよいトレンドにあると複数の関係者は語る。それは5月下旬にかけて市場に出回る天然ゴムに対し、圧力がなくなるからだ。 そのため、輸出総量は370万トン以上に拡大すると見込まれ、輸出価格も70バーツ台に上昇。国内ラテックス価格は61.5バーツ(215.25円)、RSS3の価格は66.2バーツ(231.7円)となっている。

タイゴム総裁(RAOT)のナコン・タックウィラパット総裁は、本紙の取材に対し、2021年はタイのゴム価格の状況は非常に安定していくと考えていると語った。天然ゴム価格は引き続き好調で、スモークドシートはキロ60~65バーツ(210~227.5円)で推移、主な要因は市場への供給量減による。さらに「現在はウィンタリング期で天候が悪く、一方、加工者の需要が旺盛である」と語った。

もう一つの重要な要因に中国での自動車生産と販売の台数の継続的増加がある。昨年比で中国経済の正常化による経済活動の明確な回復が見られた。また米連邦準備理事会(FRB)の政策金利据え置き政策もあり、企業による投資懸念が緩和され、結果タイの天然ゴム価格のトレンドも上昇した。特に世界的なラテックス需要の傾向を受け、タイ国内の濃縮ラテックス需要はさらに2倍に増加するとみる。タイでは現在約100万トンの濃縮ラテックスを生産しており、中国とマレーシア向けに約90万トンが輸出されている。一方、国内需要は10万トンから2倍になると予想する。将来的に、ゴム手袋産業で生産原料を合成ゴムから価格の安い天然ラテックスに切り替えることも考えられる。

現在タイ政府は、ゴム農家向け所得補償プログラムのフェーズ2を実施中で、直近の支給は3月度の6期目分だが、対象はカップランプ(DRC 50%)のみで、政府保証価格23バーツに対し平均価格22.63バーツと値差0.37バーツ分の補償となり、総額1億4,979万バーツが4月30日に支給された。プログラム全体では1,377,935人を対象に計290億1800万バーツが支給されている。

政府の天然ゴム政策委員会専門家委員を務めるウタイ・ソンラックサップタイゴム農家協会会長は、COVID-19の感染状況の影響を受け、ゴム手袋向け需要傾向は2025年まで高い水準が継続、よってラテックスの需要は引き続き好調、結果価格も通年でキロ60バーツ以上の水準になる可能性があるとみる。

 

出典 プラチャーチャート新聞(電子版)、2021年5月6日、仮訳 https://www.prachachat.net/economy/news-661470より一部抜粋

 

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